《100%共感プレゼン》読了レビュー

  • 2020.09.13

なぜ正論なのに伝わらないんだ!という場面、仕事ではよくあります。
まあ、正論と言っても、立場の違いで自分にとっての正論と聞き手にとっての正論が違うのかな、とこれまでは理解していました。

この本では「正論だから」、ではなく「聞き手が協力したくなるためには共感がなければならないから」と言います。

人は感情の生き物と言いますし、そうなのかもしれないなあと手に取りました。

ロジックで人の心は動きません。行動を変えてもらうには、聞き手に100%共感してもらうこと。

本書の著者は途上国の教育支援を行うNPO法人 e-Education代表の三輪開人さん。アメリカの経済誌Fobesの「Fobes 30 under Asia」にも選出されているような素晴らしい経歴の方ですが、この本では著者の苦い経験から得た教訓についてもじっくりと書かれており、読み物としても面白く一気に読めました。

読後の感想としては★5です。いろいろな人にお勧めしたい一冊。

良いプレゼンを作るには

プレゼンはシナリオ、スライド、トーク、トレーニングという4つの要素から成り立っています。

そして、シナリオが共感を生み出すのに最も重要な要素だと言います。共感を生み出すのに必要なものは3つ。

共感の先にある「目標」
共感してもらいたい「聞き手」
どうしても伝えたいという強い「意思」

これを固めないと良いプレゼンにならないということですね。目標が明確でないと・・・とか、誰に聞かせるかはっきりしていないと、など、テクニックとして分かってはいるのですが、普段プレゼンを作るときは、目標に悩んでいたり、聞き手が曖昧だったり、意志が他人事だったり。思い当たる節があります。まずはこの3つをプレゼンを作るときに意識するだけでも変わるかもしれません。

共感を妨げる3つの障壁

共感の妨げとなる壁とそれに対する対応は以下のようにまとめられていました。

①興味がないという「無関心の壁」→意識的に接点を作ることで乗り越える

②自分には関係ないという「他人事の壁」→聞き手の立場に立って話すこと。エピソードを何度も入れていく。1つでも刺されば私のためのプレゼンだと感じてくれる。

③今じゃなくていいという「保留の壁」
3つの壁のうち、この表現の仕方が私にとっては斬新でした。著者はNPO法人という特性からプレゼンの目標に「寄付」があるんですよね。私は習慣として寄付をするということがほぼないのでよくわかるんですけど、いいプレゼンを聞いてもいい話だった、で終わり、寄付をしない可能性が高いです。本書にも書かれていますが、まさに「私じゃなくても」という感じです。

この保留の壁は3つのブレーキ「今じゃなくても」「私じゃなくても」「君じゃなくても」を外していくことで乗り越えると書かれています。寄付だけではなく、例えば商品を買ってもらったり、提案を決断してもらったり、聞き手に行動を起こしてもらうためにプレゼンをしているわけですから、難しいけれど、話し手として意識してプレゼンするだけでも表現は変わるかもしれないと感じました。

「パブリック・ナラティブ」を学ぶ

パブリックナラティブ Public Narrativeという言葉、この本で初めて出会いました。Narrativeって単語も初めて知りました。

narrative
ロングマン現代英英辞典より
nar‧ra‧tive /ˈnærətɪv/
1 [countable] a description of events in a story, especially in a novel
At several points in the narrative the two stories cross.
2 [uncountable] the process or skill of telling a story

https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/narrative

パブリックナラティブはなぜ行動するのか物語を通して伝えることで共感の輪が広がり人のアクションが変わるというものだそうです。「私」「私たち」「今」という3つの要素の物語で語るのがポイントなよう。

「私」の物語で親近感を持たせ、「私たち」の目的で聞き手を当事者にし、「今」の物語で具体的な行動を促す。前項に記載した共感を妨げる3つの壁を破るための手法なんですね。

具体的なテクニック

本書で触れられている具体的なテクニックについてもいくつかメモ。

スライドは「シンプルであれ、不完全であれ」
以前読んだ前田鎌利さんのプレゼンテクにも通じるものがあると思いました。面白いと思ったのはスライドフレームは16:9がいいらしいです。私、会社でフレームは16:9がいいよって言われて、なんでですか?って聞いたら「たくさん文字が書けるから!!」と言われましてね・・・自社のパワポの使い方は資料集としての使い方でプレゼン用ではないので仕方ないですけど、そちらがトレンドなのかと思いました。

トークの仕方も参考になりました。仕事では結論を先に言うことを意識的に行っていますが、プレゼンの場合はPREP法を使ったとしても、「チラ見せしてモヤモヤスッキリの法則」と書かれているように、多少のリズムが必要なようです。ここまで読んで、仕事のためにプレゼンがうまくなれば、とこの本を読みましたが、本当の意味でのプレゼンはほぼやったことがないんだなと思いました。

プレゼン直前に何をする?

場数を重ねスキルを磨くと言うトレーニングについての記載は耳が痛いです。私はプレゼンこそほぼ機会がありませんが、例えば商談や提案、報告の場であればそれなりに機会があります。でもほぼ、ぶっつけ本番、なんですよね。一度、会議で自分の報告をこっそり録音してみたことがあったんですが、いや〜聞くに耐えない、って思って振り返りもできなかったんです。

最近は、オンラインでの会議がほとんどで、ビデオもなしのテレカンが多いです。表情や仕草などのノンバーバルコミュニケーションが通用しません。通信環境によっては声音や間も伝わらないかもしれません。余計に、この話は何が目標なのか、聞き手は誰なのか、何を伝えたいのか、が重要になってくるなと思いました。

プレゼンテーションのような場はとても緊張します。プレゼン当日にやること、が印象に残ったので最後にメモします。

来場者と積極的に会話し、仲間を作る
最初の1分と最後の1分だけトレーニングする
最後は目の前の景色を楽しみ、感謝の心で

なるほどな、楽しむっていいなと思いました。

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